栄養生化学ダイエットのやり方はとても簡単
まず「栄養生化学」とは何か。これを簡単に理解してからお話を進めたほうが良いかと思います。
栄養生化学とは、食事をした後に分解された物質(例えばタンパク質が分解されたアミノ酸など)の流れに着目した栄養学における一つの分野です。人間を形成している物質・細胞はどのように成り立っているのか。そして、それらが生成されたり分解したりする仕組みはどうなっているのか、これらを研究する『生化学』の知識を用いた学問となります。
つまり、自分が食べたものがどのような流れで自分の体の一部となり、さらにどのように入れ替わり、排出されていくかを知る研究となります。
この研究をダイエットに生かす
「栄養生化学」の考えを用いたダイエットとは、きちんと摂取する栄養の配分を考え、自分の代謝を考えた食事をし健やかに日々の生活をおくろうというものです。
人が主に摂取する栄養素は炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの「五大栄養素」です。これらの栄養素を取り入れ、人は体を動かすためのエネルギーや体を作る細胞の材料としています。
食生活をきちんと考えたダイエット
一日の食事を通じてこの五大栄養素をバランスよく摂ることが健やかな体を作り、ひいては健康的な(太り過ぎ・やせ過ぎのない)生活に繋がっていきます。
五大栄養素と主な食品
栄養素名 | 主な働き | 多く含む食品 |
---|---|---|
炭水化物 | エネルギーになる | ご飯、パン、めん、いも、砂糖など |
たんぱく質 | 体をつくる | 肉、魚、卵、大豆製品など |
脂質 | エネルギーになる | バター、植物油、肉の脂身など |
ビタミン | 体の調子を整える | 緑黄色野菜、果物、レバーなど |
ミネラル | 骨や歯などをつくる | 海藻、牛乳、乳製品、小魚など |
この栄養素をきちんと決められた割合で食べなくてはいけない、という詳細はここでは考えなく大丈夫です。もちろんベストな配分はあるのでしょうが、これは個人差もありますし何よりもそんな細かいことを決めたとしても続くものではありません。
ダイエットに限らずですが、習慣として続けられなければ何事も長続きしません。
昼食に脂質を摂り過ぎたとしたら、夕食で減らす。一日を通じてビタミンが足りないと感じたら、翌日に意識して摂るようにする。また、ビタミンやミネラルが通常の食事でなかなか摂れない場合は、サプリメント(栄養補助食品)で補っても良いかもしれません。この程度のバランスで大丈夫です。
しかし最も重要なことは、バランスは問題ないけれど総量(総カロリー)を摂り過ぎた場合です。実はこれも単純なのですが、食べ過ぎた場合は次の日、または週間を通じて減らして総摂取カロリーを整える。もしくは運動をして食べ過ぎた分を消費する。
このように「栄養生化学ダイエット」とは、バランスの良い食事をし食べ過ぎには注意して、適度に運動をしましょうという極一般的な生活習慣を推奨するものなのです。