Sedoを使った【ドメイン販売・売却】の手順と実際の売却例など

使わないドメインを持てあましていて、できれば売却したい。という人向けの説明です。
いわゆるドメインパーキングのサービスはいろいろありますが、その中でもSedoを利用した売却の手順をまとめてあります。

アカウントの作成方法など、ごく初歩的な説明は省きますが、必要に応じて補足していきます。
Sedoのアカウント作成はこちら

ちなみにSedoサイトは日本語に対応していません。中国語や韓国語には対応しているのですが、それほどマーケットの差があるのでしょう。

Sedo経由のドメイン売却の手順

ドメイン売却の大きな流れ

大きな流れは次のとおりです。オレンジが自分が対応する部分で、青がSedoを含む相手方です。

sedoのフロー
※早ければ1週間もかからずに完了します

基本的に自分は、ドメインを登録したあとは売れるまで何もすることはありません。
こうなると、ドメインの品質は変えようがありませんが、値付けとドメインパーキング時の画面表示がそれなりに肝心となってきます。
「それなり」というのは、やはりドメインの品質が最重要なので、その他の要素はあまり考える必要がないということです。

次でおすすめの設定も含めて、値付けや登録内容の詳細を解説をいたします。

ドメイン売却の流れ詳細【登録編】

Sedoでアカウントを作りドメインを登録します。ドメイン登録の方法は、

Step 1

Sedoの登録画面1
※複数のドメインを一括で登録できます
  1. 右上メニューの「Add Domains」をクリック
  2. ドメインを1行ずつ入力
  3. チェックをいれる※
  4. 次のステップへ

※訳【私は、マーケットプレイス契約、譲渡契約、ユーザー契約、ガイドラインを読み、私がこのドメインまたはウェブサイトの正当な所有者であることを確認しました。ドメインを売却する場合、価格表に基づいて手数料を支払うことを理解しています。私のドメインの DNS 設定をSedoのパーキングサーバーに設定することで、私はセドのドメインパーキング規約にも同意します。】

Step 2

Sedoの登録画面2
※すべて、登録後でも変更が可能です

ドメインの値付けです。あとですぐに変更できますので、とりあえず「10万ドル」など異常に高い金額でも入力しておきましょう。

  1. ドメインの表示価格を入力します
  2. 「$US」を選択(購入者は購入画面で単位を切り替えることができます。)
  3. 「Buy Now」を選択(「Make Offer」にすると、4のMin. Offerを入力でき、値段交渉を受けられますが、一般的なドメインであれば必要ありません)
  4. 3で「Make Offer」を選択時のみ入力可能
  5. 「Domain」を選択(「Project」、サイトごと販売したい場合はここでは割愛します)
  6. 次のステップへ

Step 3

ドメインのレジストラと、「SedoMLS プレミアム」を利用するかを選択します。日本のレジストラは「GMO Internet Inc.」しか見当たりませんが、「Other」でも問題ありません。

「SedoMLS プレミアム」は No を選択します。Yes にすると、販売ネットワークなどへの露出が増えるのですが、露出が増えたとしてもやはりドメインの品質が良くなければ意味がありません。
また、手数料も最大で20%となってしまいます。一般的なドメインへの直アクセスやリンクをたどってのアクセスを想定しているのであれば、No として手数料10%で良いと思います。
もちろん戦略的に高い値付けをしたうえで、Yes としても構いません。

しかしながら、実際に「SedoMLS プレミアム」を選択しても何年も売れていません・・。

Sedoの登録画面3
※いろいろ書いてありますが、プレミアムを使うかどうかです
  1. レジストラを選択、Other でも問題ありません。
  2. 「No」を選択
  3. チェックの必要なし(「SedoMLS プレミアム」を Yes にした際に必要です)
  4. ドメインをリストに登録

ここまで登録すると、Sedoから【Newly added domains – Verify your ownership】という件名でメールが届きます。
登録したドメインの所有者確認をする必要がありますので、登録したドメインのネームサーバーを変更します。
※CNAME-レコードへ記述するIDも提示されていますが、ネームサーバの変更だけすれば無視して大丈夫です。

ネームサーバー1:ns1.dns.ne.jp
ネームサーバー2:ns2.dns.ne.jp

早ければ数十分で、Sedoのリストに反映されます。Sedoに登録予定のドメインがある場合は、先にネームサーバを変更してからSedoへのドメイン追加をするほうがスムーズです。

メニューから「My Domains」をクリックすると、登録されたドメインの一覧が表示されます。登録されたばかりのドメインは「!」マークが付き、所有者確認待ち状態となります。

Sedoの登録画面4
※所有者確認がされると、内容の変更が可能になります

ドメイン売却の流れ詳細【手続編】

購入者が現れてドメインの購入手続きにはいると、まず第一報として「売買手続きが始まる」メールが届きます。基本的にしばらく放っておいて問題ありません。
3通目に、件名が【Please prepare the domain for transfer】というメールが届きますので、内容に従ってドメインの「Auth Code」を送信します。あわせて、ドメインのロックをしている場合は解除をしておきます。

「Auth Code」が正常に受理された場合、その旨のメールが届きます。また同時期に【Please select your currency】という件名で、振り込みの通貨単位を選択するメールが届きますので、ドルかユーロで都合の良いほうを選択します。また、現時点でドメインを管理しているレジスタらから、「トランスファー申請」に関するメールが届きますので、内容を確認して承認してください。

※全ての履歴はメニューにある「Transfer Center」に残りますので、特に心配いりません。疑問点がある時もこの画面から直接質問できます。

この時点で購入者は代金を支払い済みで、こちらも「Auth Code」を伝えていますので、よほどの事故がない限り取引は成立します。最後に【Payment took place】という件名のメールが届いて、取引は完了となります。

なお、代金の支払いは「PayPal」か「銀行振込」を選択できます。私は「PayPal」でいい思い出がないので、「銀行振込」を選択しています。ただし、「銀行振込」だとそもそも海外送金を受け付けていなかったり、数千円の手数料を必要とする銀行もあります。その点は注意が必要です。

Sedoの振込先入力画面
※銀行登録画面。最初は戸惑いますが、調べればすぐに入力できます

値付けのコツと注意点

一般的にドメインパーキングに登録されたドメインへのアクセスは、「直接アクセス」か「リンクをたどってアクセス」のどちらかです。検索エンジン経由のアクセスは考える必要はありません。
どちらのアクセスも「ある程度このドメインの存在を認知してのアクセス」ということです。
すなわち、このドメインの価値がある程度分かっている人に向けての値付けとなります。

決して「安いから買う」ということにはなりません。購入者にとって価値のあるドメインであればいくら高くても売れるのです。
もちろん高すぎてもいけませんので、適当な値ごろ感は必要になってきます。

ちなみにこれまでこの手のドメイン売買を見てきて、高い値がつくパターンがいくつかあります。
「うっかり更新ミス」をしてしまった場合の買い戻しで、元の所有者は一般的に数十万円での購入をしています。
もちろん、そうそうこのようなドメインを手にすることはありませんが、ワンオーナードメインを狙っていると巡りあうことがあります。
いきなり元の所有者からメールが届いて、そこから交渉が始まる感じですね。

さて、話がそれてしまいましたが、値付けのコツとしては

最低でも500ドル以上
ただし特殊な場合を除いて値ごろ感を持たせる

が、私の行き着いた一つの答えです。実際にこんな感じで設定しています。後述しますが、ここからSedoの手数料が引かれますので、その分も加味した値付けが必要です。

Sedoドメインの値付け
※これで売れたら大儲け..

上2つは企業の運営ドメインで、特に2番目は「うっかり更新ミス」のドメインです。実際にイギリスの企業から交渉メールが入りました。
結局契約には至りませんでしたが、中古ドメインとしても使いづらく、値段も下げにくくという微妙な状態になっています。

他には映画で使われていたドメインが2つ、世界的な団体で更新前に使われていたドメインなどもあります。が、長らく売れません!

中古ドメインとしての品質には自信がるのですが、この市場は中古ドメインというよりは根本的な使いみちが重要になります。つまりドメインの「語呂」です。良い字面であったり、単語の並びであったり、サービスや商品に合致していると高く売れますね。

例えばちょっと極端な例ではありますが、2020年7月現在、実際に購入できるドメインとして、

kyoto.com
shushoku.com
densha.com

などがありますが、かなり高い販売価格でもいつかは売れるでしょう。

ドメイン売却での実際の利益

2012年から2020年までの8年間で、実際に売却が決まったのは2件だけです。常に20~30件登録していて、トータルでは延べ100件は越えていると思います。

  1. 【2018年】
    売却価格:98USD
    手数料:60USD
    差引利益:38USD
  2. 【2019年】
    売却価格:845USD
    手数料:84.5USD
    差引利益:760.5USD

合計で約800ドルです。
手数料に関しては、1は「SedoMLS プレミアム」を(良くわからずに)利用していたため、(なぜか300ドルに対して)20%の手数料がかかってしまいました。2は販売価格の10%の手数料となっています。

もちろん、ドメインの品質や設定金額によって変わるところも大きいですが、正直なところこれで儲かるとは到底思えません。
私の中古ドメインに関する経歴としては、ラッコさんの「中古ドメイン販売やさん」で代理販売システムがあったころ、トータルで500万円以上の売上がありました。

ドメインの件数にして300件程度の販売です。とりあえず、最低でもそれだけの中古ドメインをドロップキャッチで仕入れていました。
ドメインを仕入れるためのオークションに望んだ件数はその10倍、検証したドメインはさらに10倍以上という感じでしょうか。
もちろんドメイン取得後、自分で使っている中古ドメインも数多くあります。

中古ドメインに関してはそれなりの目利きができて、Sedoで販売しているドメインもそれなりに質の高いものですが、それでもなかなか売れません。
「いやお前のやり方がおかしいだろう」という方がいらしたらぜひコツを教えて欲しいです(汗)

結論として、「売れたらラッキー!」くらいの気持ちで登録しておくのが◯だと思います。

ドメインパーキング広告での収益

Sedoでは、ドメインの販売以外にもドメインパーキング広告での収益も得られます。「My Domains」のドメイン一覧から任意のドメインをクリックすると、ドメインの詳細画面に遷移します。

Sedoのドメインパーキング
※ドメイン詳細画面。実際に該当ドメインにアクセスされたページの設定
  1. 「Layout」タブを選択
  2. 「Parking」を選択
  3. 「Just Ads」を選択
  4. 設定を保存

2は、当初は「Selling」を選択して、純粋にドメインの販売を行う画面設定にしていたのですが、どうせ売れないのであればわずかでも広告収入があったほうが良いと思い、現状はこの設定に落ち着いています。

実際のドメインパーキングの年間収益

Sedoパーキングの収益
※年間2万PVはドメインパーキングにしては多いほう

年間の記録です。アクセスが年間2万PVのドメインでも、わずか2.18ユーロしかありません。1PVあたり0.00139ユーロ、日本円で0.17円です。ま、1PVあたり0.1円なら妥当なところでしょうか。

ドメインパーキングはとにかくアクセスは伸びません。広告収入はわずかなオマケと考えておきましょう。

Sedo まとめとして

Sedoで中古ドメインを販売してガンガン稼ぐというよりは、使い道がなくなったドメインを取りあえず登録しておく。というのが、正しい考え方でしょう。
登録したドメインにアクセスした、世界中の誰か一人でもこのドメインが欲しいとなれば高くても売れます。

が、そんな出会はなかなか起こりませんw 気長にしつこく待ちましょう。

正直なところ、Sedoのサービス内容は英語のフォーマットなので隅々まで理解しきれていません。内容が間違っている、足りないなどありましたらそっと教えてくださいw